ソニー(SONY)陣営の「ブルーレイディスク Blu-ray Disk(BD)」との規格争いで劣勢に立たされ、事業を抜本的に見直す方針を固めた。これにより電機業界を二分してきた新世代DVDの標準規格争いは、BD方式の勝利で決着することになりそうです。
東芝は事業の見直し策としてレコーダー(録画再生機)の販売を中止してプレーヤー(再生専用機)などに特化する案や、販売不振の日本と米国から撤退して欧州市場に専念する案の検討に入りました。週内にも決めるそうで完全撤退も「選択肢の1つ」(東芝首脳)だそうです。
東芝は、HD方式のプレーヤーやレコーダーの販売継続は困難になったとの判断に傾いている。東芝がHD方式からの撤退を決めれば、新世代DVDはBD方式が業界標準となり、規格争いは収束することになります。
米映画会社パラマウント・ピクチャーズや米マイクロソフトがHD規格のソフトやゲーム機用記憶装置を販売しているため、東芝だけで撤退を決めるのは難しい状況。こうした企業と協議しながら最終方針を決める。当面は商品を絞って販売を続ける可能性が高いが、事業を縮小して世界標準獲得を断念することで、販売低迷に拍車がかかり、撤退に追い込まれる公算が大きい。
規格争いは今年の年明け早々に大きく流れが変わった。HDとBDの両方式を支持してきた米映画大手ワーナー・ブラザーズは1月4日、HD方式の支持を撤回し、新世代DVDソフトはBD方式に一本化すると表明。BD陣営は、米映画大手6社のうち、4社から支持を取り付けた。東芝は米国や欧州でプレーヤーを大幅値下げして巻き返しを図ってきたが、関係者によると、BD優勢との見方が広がり、HD方式は販売不振が続いているという。
東芝が事業撤退した場合は、どの程度の損失が発生するかも焦点となっていますが、現時点では損失は数百億円規模になるとの見方が出ています。
予測はしてましたが、東芝が早い時期にHD-DVDからの撤退に踏み切ったようです。これにより新世代DVDはブルーレイディスクのみとなります。ユーザーにしてみれば2種類あると互換性がないため困まり不便なのでDVDの規格を1種類に統一されることは歓迎でしょう。これで新機種のDVDプレーヤーやレコーダーはブルーレイディスクを安心して購入できることになります。
□参考記事
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